清涼飲料水、お菓子など、甘い食料を子どもが簡単に摂取できるようになった現代社会。
子どもの2型糖尿病が懸念されています。
先日、3歳(女児)という史上最年少の2型糖尿病が欧州糖尿病学会から発表されました。
出生体重は3.2キロと標準的だったが、受診した際の女児の体重は、同年齢の幼児の平均体重の約2倍、11歳児の平均体重とほぼ同じだったという。…(中略)…「幼児の食生活を調べた結果、カロリーや脂肪分の取りすぎなど、家庭の栄養管理に問題があることが分かった」
⇒9/17 APF通信
これはかなり極端な例ですが、日本の子供も他人ごとではありません。
実際に2型糖尿病にかかってる子どもはたくさんいるんです。
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
1型糖尿病…小児、若い人の発症がほとんど。痩せ型に多く、急に発症する。ほとんどが免疫の異常(β細胞の破壊)によってインスリンの分泌がなくなり、発症。風邪に似た症状、喉が渇く、尿が多くなるなどの症状が出る。
2型糖尿病…中高年の太った人に多い。遺伝的要素に生活習慣・肥満などの要因がプラスされて発症。インスリンの減少により、血糖値が上昇。ゆったりと進行するため気がつきにくい。
つまり、大人によく見るイメージがある糖尿病が「2型」です。
しかし食生活の変化により子どもの発症も増え、危険視されています。
子どもの2型糖尿病の推移
日本の小学生の場合、1型糖尿病患者の方が多く、中学生になると2型糖尿病の方が多くなります。
(出典:糖尿病ネットワーク)
上記の表は東京都予防医学学会の出しているもの。
年齢の増加と共に2型患者が増える傾向は、1970年代からありますね。
2型糖尿病が気が付かれない理由
- 自覚症状がない
- ゆっくりと進行する
2型の場合はゆっくりと進行するため、最初のうちは症状がわからないそう。
学校の尿検査で血糖値が高い状態が続くと、糖尿病と診断されることもあります。
しかし、大人の病気だと思っている親も多く、症状も見られないため軽視されるケースが多いと言います。
放っておくと恐い合併症も
1型糖尿病とは違い、薬物療法ではなく生活習慣の指導によって治療されます。
そのため病気ということが理解できずに、おろそかになりやすいのが2型糖尿病。
かえって合併症になりやすいという報告もされているそうです。
合併症は、失明にもつながる網膜症や、人工透析を必要とする腎症など、大人の重度の糖尿病患者と同じことが起こります。また、合併症は発病すると完治するのが難しいとされるので、糖尿病の段階で親が病気を理解し、きちんと予防をする必要があります。
若いうちに障害が起こると、人生に大きな影響を与えてしまいます。
子どもはコントロールがきかない
今は大人も当たり前のように甘いお菓子を食べ、子どもはそれを見て育ちます。
大人の場合、自分で制限しながら食べているつもりでも、子どもには難しいものです。
特にお小遣いが増え始める中学生は自由にお菓子が買えるようになり、成長期も相まって摂取量が増えることが懸念されます。
食事療法を行う専門家の間では「今後糖尿病が最も深刻になるのが中学生だろう」とする声もあります。
すでに世界中で2型糖尿病の子どもが増えているという発表もされており、先進国の一つとして日本も無視できない状況になっているのです。
まとめ
いくら和食が健康的で素晴らしくても、お菓子いっぱい食べてたら意味がありません。
世界中の文化が入ってくる先進国だという自覚を持って、食生活を見直していくべき時なのではないでしょうか。
発展した現代の「普通」には、普通じゃないことがたくさん隠れているかもしれません。
お菓子が好きで食べたいのなら、ほどほどを覚えなきゃいけないですね。