東京の公園・神社・寺で見つけた苔をまとめました。主に東京の西側、京王線方面です。
これから苔を楽しもうという初心者の皆さんは参考にしてみて下さい。
都内は10ヶ所以上は見たかな?と思います。
苔を同定するのは非常に難しく、ハッキリとしないものもあるのでご了承下さい。
(世界には2万種類以上あるらしいです。)
今回参考にした本は最後の方に紹介しています。
とにかく、どこでも見る苔
コスギゴケ
見つけたくなくても見つかる苔。どこの公園に行ってもいる。一つの公園でもたくさんの場所で見られ、大きな群生から小さい群生まで、とにかく色々な所にいます。(もちろん神社や寺にも)
植物のような形をしているので最初は感動しましたが、「そろそろ違う苔が見たいなぁ」と思っても、行けども行けどもコスギゴケ。またかよ、の連続でした。
最近は遠目から見て分かるようになったので群衆には近づいていません。形や色の渋さなど、悪くないんだけど、ちょっと繁殖しすぎ・・。葉先が赤みを帯びていて、渋目の緑色が特徴。若いものはやや明るめの黄緑っぽいものもありました。
コツボゴケ
写真は公園の木の影にいたコツボゴケ。単体でかなり大きな群生を築いており、木に巻きついていたものを撮影。(携帯撮影な上にボケててすみません…)
地味な感じもしますが、他の苔よりも透明感があって、葡萄の房のように丸い葉が連なっていてキレイです。よく見るけど形と透明感が気に入ったので、蒔きゴケを最近始めました。
コホウオウゴケ
半日陰の湿った土壌によく生息しており、小さな群生をつくっています。樹の根元に群衆の集まりを発見したので撮影。
公園の端の方や、斜面になっていて湿りやすい場所、日陰で乾かない場所でよく見ます。キレイな黄緑~緑色。
葉が薄くて柔らかく、きれい。イタリアンパセリを小さくしたみたいな雰囲気。蒔きゴケ&観賞用をつくって楽しんでいます。
シノブゴケ
地を這うように生えており、同じように生息するハイゴケやコツボゴケと同居しているのをよく見ます。単体での群生もあります。
細くて繊細なつくりをしていて、まるで雪の結晶を見ているかのよう。家で育てるときにたっぷり水を与えると、透明感のある緑色でとてもキレイです。
ホソウリゴケ
どこでも密集した群生が見られます。家でもとても育ちやすく、適当にバラして土に混ぜて水をやり続けるだけでみるみる増えていきました。緑が鮮やかで美しいです。
上から撮影した群生の写真が「ギンゴケ」と似ているのですが(ギンゴケも同じような群衆を作る)、色味も違うし、拡大すると違いが分かります。
ギンゴケ
その名の通り、銀色のように(白っぽく)見えるからギンゴケ。乾燥状態で銀色になるが、採取して家に持ってきたものは水を与えても銀色のままでした。
ギンゴケは種類が多いらしく、細かく見分けるのは難しいらしい。1本1本を見ると細長いですが、まとまった群生はホソウリゴケのようにギュッとしています。若い群生は緑が鮮やかなものも。
ハマキゴケ?
とにかくよく見るんですが、種類がよくわかりません。乾燥状態の縮れかたが「ウマスギゴケ」かな?と思いましたが、ウマスギゴケよりかなり小さいです。(全長1.5cm~2cmぐらい)
スギゴケの仲間だとは思うんですが・・・。誰か教えて下さい…。
ゼニゴケ
湿った土地、住宅地の庭や植木の側でよく見ます。大きさは3~10cmくらい。写真は街なかでキレイな群生を見つけたので撮影。これだけ見るとかなり大きい群生に見えますが、大きい植木鉢に居たもの。
傘のような部分は雌の繁殖体。葉の表面には丸い無性芽器が見られ、この中に濃い緑色の無性芽が入っているそうです。
割りとよく見る苔
「どこにでもいる」と言われるけど、たまにしか見ないものです。住んでいる場所や探しに行く場所にも左右されるのでしょう。
ハイゴケ
育てやすい苔の代表として「スナゴケ」と並んで紹介されていますが、探しても探しても見つからず、大きい公園に行った時に初めて見つけました。
コスギゴケほど「どこにでも」という感じはしませんが、場所によっては群生で見られます(私は)。諦めかけた時に急に出てきたりして。乾燥状態では縮れていることが多いので、見逃さなければ見つかります。
家に持って帰ってきて大量の水をかけると、透明感のあるウルウルした瑞々しさが見られ、とてもキレイです。
エゾスナゴケ
明るく、水はけの良い場所に生息。近年は屋上緑化にも使われています。温かみのある黄緑~やや緑色と透明感が素敵。
どこにでもいる、という割にはなかなか見つけられませんでした。公園の中ではなく、外周などの人が歩かないような場所、手入れが行き届かないような場所で見られます。
タチゴケ
キレイな黄緑色に光り輝いていたので思わず撮影。上から撮影したので逆さまに見えますが、上向きです。たまに見ますがキレイな群生はあまり見ません。古い神社の端、石階段の上にいました。多分タチゴケの仲間です。
広い神社だったので、他にいないか探しましたが、見つけた場所にしかいませんでした。少し取ってみると、下の方がたくさんの土に絡んでおり、かなり湿っていました。持ち帰った分を増殖中。
ナミガタタチゴケかな?とか思っています。
ジンガサゴケ
湿った土地に群生。大きさは1~4cmくらい。住宅街の庭や植木の隙間にもみられます。写真は道端に置いてあった植木鉢の中にいたもの。
近寄るとポツポツがあるのが分かります。裏返すと腹側が紫紅色をしています。
たまにしか見ない苔
場所によってはよく見るのかもしれないけど、私はあまり(というか1度しか)見ていません。
キンシゴケ
大きな公園にあるテニスコートの端に砂がたまっており、そこに大量に群生していました。(写真は採取したものの一部だけで見難くてすみません。)
名前の通り、金色に輝く長い朔柄がフサフサとしていて、とてもキレイな群生で感動しました。触ってもフサフサで気持ちが良い。
ヒジキゴケ
大きな神社の端にあった岩にくっついていました。明らかに「見たことないぞ」という雰囲気をかもし出していたので思わず撮影。サイズも大きめで目立っていました。
神社とか寺でも、古い場所の方が見つけやすいらしいです。実物はそうでもないけど、写真で見るとちょっと気持ち悪い・・かも?
名前の分からない苔
見つけても名前のわからない苔はたくさんありますが、今回は写真があるもの1つだけ掲載します。
キンシゴケと同じテニスコートで発見。反対側の脇にいました。とても短く、ニョキニョキしていて可愛かったので砂ごと持って帰ってきて様子を観察しています。(全体も短い)
初めての苔におススメの本
今回、同定のために参考にしたのは日本蘚苔類学会員・田中美保さんの本2冊、藤井久子さんの本1冊(とインターネットにある情報)です。
ときめくコケ図鑑/田中美保
初めての1冊におすすめです。観察の仕方、必要な道具、苔のつくりなど基本的なことから、日本でよく見られる苔が約100種類記載されていて、見分けかたについても書かれています。写真も見やすく、文章も読みやすい。
苔とあるく/田中美保
こちらの方が一つ前に出た本です。自分で苔を増やして楽しみたい人はこちらの方が分かりやすく書かれています。観察に使うなら「ときめくコケ図鑑」の方が種類も多くて見やすいですが、こちらにもある程度は載っています。調べるというより、どのようにして苔を楽しむか、苔との関わり方について書かれた本という感じです。
苔はともだち/藤井久子
苔の種類や特徴、楽しみかたが書かれた本。面白いのは、苔のタイプ(地味なやつ、図々しいやつなど)を人間のように例えて書かれてあるところで、手描きの苔イラストと共に、それぞれの苔の性格(性質)を楽しみながら読める。
苔は一生勉強ですね。見つけたら追記していきます。
【コケに関する記事一覧】
⇒苔の魅力と初めての観察~コケ散歩に出かける前に知っておくこと