私は苦手です。
でも、クレーマーは思わぬ味方になってくれることもあります。
一度気に入ってもらえれば、もの凄くこちらサイドにのめり込み、
使う金額が半端じゃない。
キャンセルを起こさない営業力でも書きましたが、私のかつての上司は、その業界において全国で3本の指に入る売上を誇る営業ウーマンでした。
彼女は自身の顧客に数多くのクレーマーを抱え、その一人ひとりが会社にとって有益な人たちばかり。
大きな利益をもたらすクレーマーの特徴、そして上得意客にする営業戦略とは一体どのような方法なのでしょうか?
味方になるクレーマーの共通点とは何か?
クレーマーの中にはもちろんタチの悪い人もいますが、ここでは利益をもたらす質の良いクレーマーの話をさせて頂きます。
- こちらに対する期待度が高い
- 悲しみ?を抱えている
- 損得よりも気持ちを重視する
- (恐らく)家庭にトラブルがある
私が見てきた人たちは、みんな心にモヤモヤしたものを抱え、それを晴らすべくパーっとお金を使い、心地よい空間で満たされた気持ちを得たい、そんな雰囲気を感じる人ばかりでした。
そしてもう一つ共通するのは、最初のセッションの際に必ず契約を結び、その上でクレームを言う、というところです。
悩んだ数日後に契約をしたり、一円もお金を払わずこちらの対応に文句を言う人は上質なクレーマーにはなりません。もちろん、このような顧客がダメということではなく、「莫大なお金を落とすクレーマー」とは違うタイプの相手、という意味です。
クレーマーを落ち着かせ、味方につける営業とは?
「余計なことは言わず、落ち着くまでとにかく話を聞きなさい」
「落ち着いたら、対応策を提示しなさい」
「必要のない謝りは厳禁。謝り方に気をつけなさい」
たまに「下らない客にいつまでも時間をかけるな」という人がいます。確かに時間をかければ良い、というものではありませんが、そういう人ほど二流止まりの人が多いと思うのは私だけでしょうか?
とにかく、逆上を避けるためには話を聞くのが一番です。とにかく自分だけは冷静に。興奮状態ではこちらの提案も全て言い訳にしか聞こえず、「謝りもせず都合の良いことばかり言いやがって!」と思われてしまいます。
実際にやってみると分かりますが、ヒトは冷静になると驚くほど話を聞き入れるようになり、騒いだ自分を反省する言葉まで言うようになります。その状態になるまで待つんです。
となると一番の問題は「謝りかた」です。ここが一番難しい。
謝るポイントとは?
状況によって謝り方は様々なのですが、これだけは守ったほうが良い、というポイントがあります。それは
会社のせいにしない
ということ。
誰かのせいにするというのは、たとえ事実であっても「卑怯」だと受け取られてしまいます。
(もし本当に会社のせいで、同じようなクレームが何度も起きているようなら、ちょっと今の仕事について考えなおした方がいいかもしれません・・・。)
自分で対応しきれなくなった時、上司が出てきて代わりに謝罪することもあると思います。この時も事前に会社のせいにしていると上司が不利になり、どんどん騒ぎが大きくなる可能性があるんです。どんどん自分の肩身が狭くなっていく、そんな行為はやめましょう。
こんな謝りかたがある、の一例
例えば「おたくの会社どうなってんの?何でこんなことになったの?」と言われたら「会社から○○するように言われてましたが、自分のミスでこうなりました。本当に申し訳ございません。」が好印象です。
間違えても「会社のシステムがおかしくて…」とか「私は注意してたんですが、誰かが気がつかないうちに変にしたみたいで」とかは、深刻な場面ではやめましょう。
話を聞き、相手が落ち着いたら誠意のある対応をする。これだけです。
私が新人の頃にクレームを受けた際、「終わった…」と思うこちらの意志に反して、上司は「ちょっと一緒に話を聞こうか」と一言。結果大きな金額を落とす顧客となり、その人は私を営業部新人賞まで導いてくれました。
あなたの周りにも、金のクレーマーがいるかもしれませんよ。