前回の記事⇒レシピ本は料理下手に有効か?こちらも参考にして下さい。
レシピを見ないと作れない、見ても美味しく作れない、タレを使ってもなんかイマイチ…
そんな調理が苦手な人のために、本当に学ぶべきことを考えていきたいと思います。
料理下手が学ぶべきは、味付けか?
市販のソース(クックドゥなど)を使えばだれでも簡単、美味しい中華ができる!!
なーんて思っていませんか?本当に、美味しそうにできていますか??
前回の記事(レシピ本は料理下手に有効か?)でも書きましたが、美味しそうに作れていない人、たーくさん居ます。そしてそういう料理は、決まってパッとしない味がします。あなたが思わなくても食べた人でそう思ってる人、凄くいっぱいいるんですよね。
料理下手=味付け下手ではないのです。
他に学ぶべきこと、あるんです。
人はどうやって「美味い」「不味い」と感じるのか。
人は五感を駆使して「美味い」「不味い」を感じている
五感は『視覚・味覚・触覚・嗅覚・聴覚』ですよね。
その五感に関するこんな話、知っていますか?
”更に鼻も塞ぐと何を食べているのか分からなくなる”
実はこれ、フジテレビの「めちゃイケ」で証明されていました。
かなり前のことですが「シンクロナイズド・テイスティング」という、目隠しをして食べた料理を当てるコーナーがありました。(シンクロの格好をしているので、鼻も塞がってますね)
このコーナー、正解が全く当てられないんです。
多くの人は食事を「舌で味わうもの」と思っていましたから、「視覚と嗅覚」がこれだけ大きな影響を与えていることは、当時大変驚いたものです。
たまに正解することもあったのですが、おそらく「固さなどの食感」で当てていますよね。それはそれで「触覚(口の感覚)」がすごいということです。
外れる時も「固い、柔らかい、モサモサ」など食感に関する発言はたくさんありましたけど、「甘い、しょっぱい」ってほとんど聞きませんでした。
本当、味覚って何なのでしょう?役立たずですね。
特に大事なのは「視覚」「嗅覚」「触覚」
「味覚」がアテにならない感覚だということは、気をつけなければいけないことは…
『視覚』=彩り、盛り付け、器、
『嗅覚』=香りや臭み(焦げ臭い、生臭い)
『触覚』=硬さ、柔らかさ、食感
ということになります。
※『聴覚』に関して……”天ぷらを揚げる時にプクプク・パチパチ鳴る音”、”ラーメンや蕎麦をすする音”。日本人はこれらを「美味しそうな音」と表現するぐらいですから、大切ですよね。「クチャクチャ鳴らして食べる音」だって不快ですし…。しかし、食べる前と後に影響するものがほとんどです。天ぷらの場合、プロの料理人は『音・重さ・泡の大きさ』で揚がり具合を見ますが、これはかなりの高等テクニックなので、料理下手さんの場合、聴覚はあまり気にせずにいきましょう。
では、味覚はどう考えれば良いのでしょうか?
味覚は究極の添え物
例えば、ブロッコリーで考えてみて下さい。
②程よい食感に茹でたブロッコリーに、塩のみををかけて食べる。
あなたなら、どちらを選んで食べるでしょうか?
え?①ですか?ではこれならどうでしょう。
タレも塩もない状態なら、①と②、どちらが美味しいと思いますか?
これは多くの人が②のブロッコリーを選ぶはずです。その理由は、もうお解りでしょう。
『視覚・嗅覚・触覚』でこちらが美味しいと知っているからです。
新鮮な青さ、香り、歯ごたえ、人はこれだけでほぼ美味しいと感じることが出来ます。
①のブロッコリーは、人の五感を満足させられない料理であり、その足りなさをタレで補っているだけなのです。
味付けは、素材の味をより豊かにするための添え物に過ぎないこと、分かって頂けたでしょうか。
何でも塩じゃ困っちゃうよ
もちろん、何でもかんでも塩で食べろと言っているわけではありません。
五感で旨いと感じられるように、慣れないうちは素材を丁寧に扱いながら料理して下さい、と言っているだけですので、お間違いのないように。
『タレを使っても不味い理由』それは…
味付けにばかり頼り『視覚・嗅覚・触覚』を無視した調理をしているから。
素材を活かすも殺すもあなた次第。食べ物に優しい人間になりましょう。
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前の記事はこちら⇛レシピ本は料理下手に有効か?