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荒俣宏はビブリオマニア!?名著『雨月物語』の読み方〜林修・世界の名著〜

 2015/08/21  

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(出典:tcc.cocolog-nifty.com)

「雨月物語」は江戸時代の古典作品で、三島由紀夫など後世にも多大な影響を与えた不屈の名作。

しかし古文・漢文は苦手意識がある人も多いのではないでしょうか。私もその1人です。

「もっと違う形でこの作品に出会いたかった」(古文・漢文の勉強用としてではなく)と林修さんに言わしめるほどの魅力的なお話で、荒俣さんはこの本の楽しみ方を教えてくれました。

ちなみに荒俣宏さんはビブリオマニア(異常に本を愛する人。病的な読書愛好家。収集家。)ではないかと林修さん。Wikipediaによると本を買うために消費者金に通ったほどらしいです。さすがです。

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上田秋成「雨月物語」は日本お化け界に革命を起こした

雨月物語は9つの短編から成る怪談物語です。

古文・漢文が交互に出てくる、昔テストで見たことあるようなやつです。

番組で紹介されたのは現代語訳付きの↓↓↓の本

荒俣宏が最も印象に残った「浅茅が宿」

9編のうちの1つです。”あさじがやど”と読みます。

京へ行商に行くため妻と別れて故郷を立った男が、待ち続けて死んだ妻に7年後幽霊となった姿で再会します。

生きている間のみならず、幽霊になっても待ち続ける妻の姿に、荒俣さんはそれまでと違った幽霊の姿を見、感銘を受けたそうです。

日本のお化けの考え方・在り方を変えた上田秋成

それまで日本人にとってのお化けは、怖いもの・遠ざけたいものというのが一般的でした。お札を貼って退散するようなやつです。

しかし、この”浅茅が宿”においては幽霊は愛しい妻でした。

本当に悪いことが起きたら良くないから幽霊について話さないほうがよい、言霊のような考えの時代。『雨月物語』では”死んだ人間の恋”という画期的なお化けの考えを生み出し、純愛小説に近いものとして存在しました。

まさに”日本お化け界”の大変換期が訪れるきっかけになったのです。

江戸時代の人々は既にお化けを本気で信じていなかったと思われるのですが、上田秋成は平安(まだお化けを信じていた)時代の感覚を取り戻し、尚且つ新しいお化けを生み出したすごい人なのです。

荒俣宏が語る『雨月物語』の魅力

家族問題・嫉妬問題・奥様問題・自分の問題・お金の問題など、現代人にも通じる問題が怪談を通して全部入ってる

すごいですね。

浅茅が宿の「妻・宮木」の美しさは日本独特の感性

「宮木」は夫の帰りをひたすら待ちます。待って待って、死んでもなお待ち続けます。

この美徳は、農耕民族である日本人独特のもので、”天の恵みを待つ”、”日照りを待つ”、”稲の成長を待つ”といった生活を通して培われた感覚なのではないか、ということでした。

荒俣さんは「宮木」のような女の人はいないのかと探しまわったけど、見つからなかったそうです(笑)
工業化した現代では稀有な存在ですよね。

女性そのものがお化けだとも言っていましたが(笑)

「古文と漢文の融合」は現代語と同じ!?

現代人が日本語と英語が入り乱れた会話するのと同じようなものなのだそう。

テストのときに”なんて厄介なことしてくれるんだ!!”と思っていた「古漢融合」ですが、それだけ上田秋成は知識が広い人間だったということなんですね。古文だけの方が絶対に書くとき楽ですから。

林修が1番好きな「貧福論」はお金問題

お金への執着心が強い、商人のような武士と、彼が集めたお金から出てきたお金の精霊『黄金の精』の物語。

なんか、林修っぽいです。何も知らないけど、ぽい。

『黄金の精』の名言(一節)

『どんな良い剣であっても、一剣をもって千人の敵をむかえうつことはできない。それにくらべて、金の力というものは、よく天下の人々をもなびきしたがわせるものだ。したがって、武士たるものはこれを軽々しく考え、粗末に扱ってはならない。かならずこれを大切に貯蔵するべきである。』(巻之五 貧福論)

うーん、やはり江戸時代はかなり近代的な考えに近いんですね。

荒俣宏、最後に一言

お化けと仲良く。

荒俣宏が「雨月物語」を選んだ理由

荒俣さんがこの作品に惹かれるのは、子供の頃の時代背景にあるそうです。
当時は戦後復興に忙しく、祖父母に育てられる子どもも多い時代でした。
荒俣さんもその1人で、おばあちゃん子なんですね。そこで寝付く時に聞いていたのが怪談話だったそう。

その怪談話を聞いて育った荒俣少年は、図書館で「雨月物語」を読み、これまでと違うお化けに出会ったのだそう。(感受性豊かすぎますよね…。)

ちなみに、地域のお化け話でキャーキャー言ってたのは、今で言う”ゆるキャラ”みたいなもん、と言っていましたが、そこはちょっと違うような…(笑)

『愛しいお化け』という表現が、ちょっと素敵な荒俣さんでした。

現代語訳なら簡単に読めそうですね。

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