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埼玉県・鶴ヶ島市が給食費回収を強制執行~親への制裁でも解決しない問題~

 2015/08/25  

給食費未納が問題となって久しいですが、遂に強制回収に踏み切ったようです。

8月20日の記事ですが、埼玉新聞に以下のような記事が掲載されました。

給食費計4万円を滞納 催促に応じない保護者に強制執行/鶴ケ島市

以下、埼玉新聞より転載です。


鶴ケ島市は20日、学校給食費の滞納をめぐり、再三の支払い催促に応じなかったとして、さいたま地裁川越支部に支払い督促の申し立てを行った保護者に対して、同支部の債権差し押さえ命令を受けて保護者の給与から未納金回収の強制執行をしたと発表した。滞納した給食費の回収をめぐり、同市が強制執行したのは初めて。

 市教委学校給食センターによると、この保護者は13年10月から14年7月までの子どもが通学する小学校と中学校の給食費計4万1811円を滞納。市は14年の1年間、手紙や自宅の訪問などで再三、支払いを求めたが、保護者には一度も面会できず、回答もなかった。

 市は今年1月、同支部に支払い督促を申し立て、保護者の債務を確定させた。しかし、その後も保護者からの連絡がなかったため、市は強制執行を申し立て、同支部が7月、差し押さえ命令を出していた。

 市は19日、保護者の給与から、滞納額に裁判費用や利息分などを加算した計5万6647円を回収した。

親への制裁

今年の6月には同じく埼玉県の北本市の給食費問題が騒動になりました。

この時は3ヶ月未納が続く家庭に対し、弁当を持参するように学校が通知しました。親の問題を子供に背負わせることになるということで、懸念する声が続出していました。他の生徒からの目線なんかを考えても、そりゃあ問題になっちゃうでしょう。
(北本市の記事⇒朝日新聞

しかし、今回は親への直接的な制裁。
支払い困難な家庭の場合は免除の申請ができるシステムもあります。おそらく申請していなかったか、する必要のない家庭だったか、どちらかでしょう。いずれにしろ今回の処置はしょうがなかった気がします。

このような問題に直面している他の市町村が今後どうしていくのか、動きに注目です。

金銭面は解決したけれど

強制執行によって金銭の問題は解決しましたが、何だかすっきりしません。

この手の噂はあっという間に広がるものです。結局、親へ直接制裁を下しても、子どもたちが気が付かないはずはありません。その家庭の子どもだってもちろん分かっているはずです。お金を払えば全てが解決ではないでしょう。未納の家庭がどんな家族関係なのかは知る由もありませんが、子どもがとても心配です。

この件も結局その後、親が子供に対してどう接しているのか、今回のことをどう言い聞かせているのかなんて分かりません。報道しろという意味ではありませんが。

第三者は家庭に口出しできませんからね。
そんな権利もないですし、口出すのが必ずしも良いことだとは思いません。
こういう問題は、永遠になくならない人間のテーマなんだと思います。

だからこそ周囲の大人たちが、しっかり子供に気を配り、できるだけ多くの子どもを守っていける社会であってほしいです。ほとんどの人が「あの子かわいそう」と言いながら結局は他人ごとで何もしない気がしますが、それでも何とかなんねーかな、と思えるのも人間ですよね。

キリン親子の集団保育の場合

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キリンの集団保育は、数組の母仔が集い、1頭の母キリンに我が子を預けます。(例えば1頭の母キリンが4頭の仔キリンを世話する。)他の母キリンはしばらくの間エサを食べにどこかへ行ってしまいます。その間、お世話係の母キリンは、よその子の世話はするけど(外敵から守るなど)、母乳は自分の子にしか絶対与えないのだそう。いくらお腹が空いていようが、飲みたそうに近づこうが、よその仔は受け入れてもらえません。

人間にも似たようなところはあるように思います。本能で我が子を一番に考える、という点で。でも人間とキリンはちょっと違いますよね。

まとめ

人間だって動物、我が子が一番かわいいし、自分も大事。

でも、他人に感情移入できる能力はキリンにはない人間の高等な脳力だと思います。
ほんの少し本能に背いて、まわりの子に少しでも目を向けるが増えて欲しいものです。

親子問題のオススメ書籍です。


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キリンの鼻先(口先??)、触ってみたい…