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家を整理した年配女性のエピソード。着物を売るか迷ったら…。

 2015/11/02  

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着物は家宝。昔は「親子三代」なんて言いましたよね。

嫁入り道具に持たせてもらったり、母やおばあちゃんの思い出が詰まっていたり、とても大切に思っている人が多いと思います。

しかし時代は変わり、今の娘や嫁が着るとは思えない、息子が結婚しない、そんな話をよく聞くようになりました。箪笥の奥で眠っていて、寂しそうに古びていく着物…。

売ってしまうのがいいか、大切に持っておくべきか…

それで悩む人が多いと思います。

着物の仕事で出会った「家を思う気持ちをこんな風に変化させることができるんだなぁ」と感じたちょっと素敵なお話。少しでも参考になれば幸いです。

年配女性と結婚しない息子

その女性は60代。30代後半の息子さんが一人いますが、彼女を家に連れてきたことは無く、太っていてモテるような雰囲気もなく、結婚はもう諦めていると言っていました。

とても着物が好きな女性で、普段から紬を着て出かけるほど。しかし母から受け継いだ着物は自分の好みに合わなかったり、古くて着る気にならなかったりで眠ったままになっていたそうです。

彼女はずっと箪笥の奥に入れっぱなしの着物にいつも申し訳ない気持ちを持っていましたが、かと言って着るわけでもない。思い出があるから処分する気にもなれず、誰かにあげようか、ずっと悩んでいたそうです。

決断したのは息子の言葉と「写真」

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ある日息子さんが「そんなに思い出があるなら写真にとって売ったらどう?自分でも着ない着物、貰っても誰も着ないよ。閉まっておく方がずっと勿体ない。写真は俺が取ってあげる。」と言ったそうです。

「写真」というのが大きかったそうで「自分がこの先年老いた時に、父や母との思い出をちゃんと思い出せるようにしておきたかった」とおっしゃっていました。ただ、やっぱり自分で売るのは気が引けたそうで、息子さんに任せることにしました。

売ったお金の使いみちとは?

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自分が普段着る着物と、息子が万が一(?)結婚する時のための「留袖」と、親戚に年配者も多いとのことで「喪服」、これだけを残して全て売ったそうです。

「こうして売ったお金って、手にしても嬉しくないものね」とその女性が息子さんに言うと、またまたこんな提案がありました。

「じゃあさ、そのお金はご先祖様のために全部使っちゃおうよ。そしたらきっと喜ぶし、形として残せるでしょ?」

後日、親子で仏壇まわりの古くなっているものを買い換え、普段買わないような”ちょっと良いお線香”とお花を買ったそうです。

新しい幸福感

その日のうちに息子さんと2人でお線香をあげ、心のなかで着物を処分したことを伝えた時、悲しさだけじゃない、爽やかで幸せな気持ちになったと言っていました。

「古くなっているのは着物だけじゃなく、仏具もだったのよね。あまり買い換えるものじゃないから気が付かなかったけど、息子のほうがよく見てる。古いものを新しくしただけで、ご先祖さんも喜んでくれてる気がしてね、息子が結婚しないのは残念だけど、いてくれて本当に良かった。」

古いものに執着するのではなく、新しい形で気持ちを残す。
素敵な考え方だなと思いました。

着物は生きている

着物だけじゃなく、布は生きています。
自分の年齢と共に劣化してしまうもの、だからたまに見ると切ない気持ちになったりしますよね。

タンスの中でジッとしてるよりも、外に出して適度に使ったほうが着物にとっても呼吸しやすく、長い時間良い状態でいることができます。

ご先祖さまを思う気持ちも、表現する方法も人それぞれ。
その一つの方法として「売る」というのも悪く無いことなんだ、と私は思います。

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